日本中が泣いたあの名作から早5年。今でもわたくしの心の中では度々この曲が流れます。

ああ ぼくたちの声が 世界のはしっこまで 消えることなく とどいたりしたらいいのにな~(RADWIMPS『夢灯篭』より)

今、わたくしが届けたい声、「世界のはしっこまで」とは言いません。でも「岸田ノート」に届けたい!!【註1】

自民党の『令和3年政策パンフレット』に、「看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士をはじめ、賃金の原資が公的に決まるにもかかわらず、仕事内容に比して賃金の水準が長い間低く抑えられてきた方々の所得向上に向け、公的価格のあり方を抜本的に見直します」とあります。

わたくしの9月末の投稿『私たちはエッセンシャルワーカーである!』でも述べましたが、社会的養護施設の職員がこれに含まれるのか、ひょっとして忘れられはしないか、気が気でなりません。

わたくしたちが忘れられてはいけない理由はたくさんありますが、コロナ禍での努力に加え、世界的な基準から見てもこの主張が正当であることを以下に示します。

法律家の世界では、日本国憲法と国際条約はどちらが優位か、という議論があるくらいです。その国際条約のひとつに、われらが旗印、「子どもの権利条約」があります。もっと言うと、「子どもの権利条約」を強化することを目的として作られ、日本も受け入れている「子どもの代替的養育ガイドライン」(ちなみに、当園の基本方針にもなっています)には次の項目があるのです。見よっ!

第114項

機関や施設に雇用されている養育者の労働条件は、報酬も含めて、意欲、仕事上の満足感、継続性を、そしてその結果として、その役割を最も適切で効果的な仕方で果たそうとする志気を最大限引き出すようなものでなくてはならない。(翻訳:子どもの村 福岡)

なぜか?

子どもたちは、かけがえのない存在だからです。

子どもへの投資が、社会にとって最大の投資だからです。

社会的養護の子どもたちが置き去りにされてはいけないからです(SDGsの理念2「誰一人取り残さない」)。

そのために、社会的養護の一翼を担う施設職員が、ないがしろにされてはいけないのです。

 

もうひとつ付け加えると、公務員と民間施設の格差是正も望まれます。わたくし自身、前職で国家公務員でしたから、よくわかります。わたくしを含め、民間施設の職員さんは、お金持ちになろうとしてこの仕事を選んでいることはありませんが、ほぼ同一内容の仕事で公立施設か民間施設かを選ぶとしたら、待遇がよい公立施設を目指すのは自然の成り行きです。【註2】

わたくしたちが受け入れた数多くの実習生たちが、どれだけ公務員になっていったことか…。

 

だから・・・岸田総裁、そして各党の議員さんたちへー。とどけ!

 

写真:おとといの昼食「チャーハンと唐揚げ」【註3】

 

【註1】本投稿は、衆議院議員選挙が終了した後に書かれています。与党・自民党の児童家庭福祉施策の一部に注目するのは児童福祉の実務家として当然というだけで、本投稿を通して読者に特定の政党への支持を訴える意図は一切ありません。

【註2】民間施設として自助努力を凝らした上での発言です。

【註3】写真と本文は関係ありません。10月は「唐揚げ強化月間」(一般社団法人日本唐揚協会)です。なぜかと言うと、①ジュージュー(揚げる音)、②肉汁ジューシー、③10月の干支が酉、だからだそうです。ここまで説明しておいてなんですが、おとといは11/3(水・文化の日)でしたので、唐揚げが出たのはたまたまでした。

 

施設長 いのうえ