歩行者用信号が赤に変わっているのに、スマホを眺めながら悠然と横断歩道を渡っている若い男性がいるとします。手前で停止した車の中から、それを笑顔で見送るドライバーが、はたしてこの世に存在するでしょうか? 私?…きっと、怒りをあらわに、叫び罵っているに違いありません。

立場が入れ替わって、その男性がドライバーになった時には、どうでしょう? 自分にもそういうことがあるのだからと、赦すのでしょうか? それとも…。

話は変わりますが、東京オリンピックのエンブレムの問題では、彼処でかまびすしいやり取りが続いています。話はネット上の匿名での批判(中傷?)のことにまで発展しています。『アカンもんはアカン!』 確かに。でも何だか切ない気持ちになるのは何故でしょう。

「清廉潔白」「品行方正」「完全無欠」なんて人間がいるわけないので、批判しようと思えばどこからでも切り込めます。ただ、直接に利害が絡むわけでもない者たちが、弱い立場にある人に群がって執拗に責め立てる情景は、まさにイジメの構図そのものに見えるのです。

昔から気の短いほうで、よくイライラが顔に出ると言われてきた私のことですから、ちょっとしたことに腹立たしくなって罵詈雑言を浴びせたくなる気持ちは解らなくもないのですが、“寄って集(たか)って”には加わりたくありません。