「いじめ防止対策法」が成立しました。今秋の施行だそうです。

大津の事件があって一年半、半歩前進との評価の一方で、効果を疑問視する声も多くありますが、共通するのは「運用のあり方次第」という意見です。これはすべての法律に言えることなんでしょうね。

いじめは言うまでもなく「あってはならないこと」です。でもそれは同時に「あり得ること」であり、「あっても不思議ではないこと」だと思うのです。

「うちには、いじめなど絶対にありません!」と断言される校長さんがおられたりしますが、そういう学校ほど危ういと思ってしまいます。『いじめは起こり得るもの』との考えからスタートしてこそ、防げるものではないでしょうか? 施設内虐待といわれるものについても同じことで、「うちには絶対ありません!」そう言い切りたい気持ちはヤマヤマですが、起きて不思議のない状況にあることは確かです。

話は変わりますが、一般に人は自分のからだの調子が悪くなったとき、直ぐには病院に行こうとせず、しばらく様子をみようと思うことが多いわけで、結局そのことで早期治療の機を逸してしまうことになるようです。「そんなに悪い状態じゃない」と思いたい、多くの人が抱くそんな気持ちを『健康バイアス』とかと呼ぶそうです。

「バイアス」を、いかに排除できるか? 手ごわい課題かもしれませんが…。