毎朝5時過ぎから犬(コムギという名の雑種…紀州犬のMIXだと勝手に思っています)の散歩に出かけるのが私の日課です。
彼女は、あたかも時計を見ているかのように、ほぼ定時に催促の声をあげるので、不承不承連れ出される?ことになるのです。
その日の気分で、いくらかコースを変えますが、多くは住宅地のなかを通り抜けていくことになります。そんな道すがら、楽しみにしていることがあります。それは、「表札探訪」です。よくある苗字のなかに、読み方に首を捻ってしまうような珍しい名前も見つけます。そんなクイズで脳活させてくれるだけではなく、表札は私に、もっと違った楽しみ方も提供してくれるのです。
たとえば、『佐藤』という表札を見ると、これまでに出会ってきた何人もの佐藤さんに思いを馳せることができるのです。名前によっては、十人を優に超える顔が次々と浮かんできます。単に顔が浮かぶだけにとどまりません。その一人ひとりにまつわるエピソードや思い出がいくつも思い起こされてくるのです。たとえば、それが中学校時代の友人であるとすると、他のクラスメイトや恩師のことなどに輪が広がっていき、どんどんいろんなことが掘り起こされていくのです。いやぁ、こんな楽しいことはありません。
ウォーキングや同じように犬を散歩されている方と何人も出会います。ひょっとすると、思い出し笑いをしている私を見て、アブナイ人と感じているかもしれませんが、そんなことはお構いなし。明日もまた、犬のことは二の次に、表札をタイムマシーンか「どこでもドア」にして、時の旅を愉しむことになるでしょう。