ダ-ウィンが来た』(NHK-TV日曜夜7時半)は、欠かさずに視る数少ない番組の一つです。前回は「アリ」を取り上げていました。何年もアリの観察を続けている小・中学生からのリポートも興味深いものでした。アリの出す声?音?の発見など、専門家も舌を巻く観察力は“子どもならでは”のものかもしれません。

私が一番感心させられたのは、観察歴5年という少年から寄せられた質問でした。石膏で観察用の模擬巣を作って観察を続けていたら、何匹かの“働かない”働きアリがいることを見つけたというのです。何か理由や違いがあるのか?という質問です。

アリ博士が調べてみたところ、どの巣でも、働きアリの2割が平常は働かず、何か事が起きて働き手が減ってしまった時には間髪入れず出動して、全体の営みに影響が出ないようにしているようなのです。非常時に備えた待機要員というわけです。

機械に頼ることができない対人援助の職場では、不測の事態を想定した場合5人に1人の割合で代替要員を用意しておかないと平常の機能を維持することが難しい。アリ社会は私たちにそう教えてくれているのですが、現実はとうてい叶うべくもありません。

それにしても、子どもの観察力、恐るべし! 私たちは毎日その鋭い眼差しに曝されているのだと思うと、背筋が…つってきました。